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人工甘味料スクラロースに発がん性なしとの結果

人工甘味料のスクラロースに発がん性は認められなかったという研究結果が9月21日、「Nutrition and Cancer」オンライン版に掲載された。

スクラロースは1970年代に開発、ショ糖の600倍の甘味を持つ人工甘味料として、日本、欧米など20カ国以上で食品添加物として使用認可が下りている。一方、発がん性への懸念は根強く、安全性についての研究は数十年に亘り繰り返し行われている。

今回の研究は、英国ロンドン大学病理学名誉教授のColin Berry博士らによるもの。MEDLINE、TOXFILE、BIOSISToxline、FOODLINE、CAB抄録、食品科学抄録、NTIS、EMBASEといった学術論文のデータベースから、スクラロース、スプレンダ、6ジクロロ-1,6-ジデオキシ-β-D-フルクトフラノシル-4-クロロ-4-デオキシ – α-D-ガラクトピラノシド、CAS56038-13-2、変異原、genotox、遺伝TOX、安全性、代謝、発がん物質、癌、腫瘍、スクラロース食品添加申請などのキーワードを用いて文献検索を行った。各文献について、規制当局の決定を支持する科学的証拠、物質の発がん性を評価する科学的証拠、スクラロースの発がん性を評価する科学的証拠、毒性試験などの観点から再評価をおこなった。

その結果、物理化学的および薬物動態/毒物動態学の研究では、各国使用量の条件下での発がん性、また代謝への影響において安定性を確認した。in vitroおよびin vivoアッセイでは遺伝毒性作用は認められなかった。動物モデルにおける長期発がん性試験では、スクラロースの発がん性の証拠はなかった。健康な成人を対象とした研究では、スクラロースは良好な忍容性を示し、毒性や発がん性の可能性を示唆するような証拠もなかった。研究者らは、仮に毎日の摂取レベルより数桁大きい量を摂取したとしても、発がん性を示すことはないとしている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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