赤ちゃんのアトピーには内外からのスキンケアが大切
2017.01.26
編集部
医療機器の開発・販売を手掛けるシースター株式会社(東京都港区)は25日、都内で「メルシーケア薬用カレンデュラ」の新発売を記念したセミナー「赤ちゃんの湿疹やアトピーに適したスキンケア」を開催した。
登壇した皮膚科専門医の山本綾子氏は「赤ちゃんのスキンケアには、中と外から同時にスキンケアを行うことが効果的。自然治癒力をアップさせることが大切だ」と強調した。
厚生労働省の調査によると、アトピー性皮膚炎の患者数は1999年以降、増加しており、2014年で45万6,000人にのぼる。年齢別にみると、2002年が年を重ねるごとに患者数は減っているのに対して、2014年では「30~40代に増えており、社会人になってから症状がひどくなっている人が多い」(山本氏)のが特徴。ただ、2002年~2014年で3歳児が最も多い傾向は変わらない。
山本氏によると、赤ちゃんの肌は大人の1/2(0.1mm)と薄いうえ、皮脂が少ないのでバリア機能が弱く、水分量が少ないといった「デリケートな肌」(山本氏)だといえる。アトピー性皮膚炎は、かゆみが生じるとひっかくため、さらに悪化を繰り返すという悪循環に陥っており、治療の上で難しい問題となっている。
そこで、山本氏が提案しているのが、中と外からのスキンケア。中からについては、「皮膚は血流から影響を受けているので、運動をしてあげると身体がポカポカしてきて、治りが早くなる」(山本氏)。ここで言う運動とは、「マッサージではなく、母親とのスキンシップ、遊びの延長と考えてほしい。ダイナミックに身体を動かすこと」(同氏)だとし、例えば正しい歩き方を教えることも大切だと指摘した。一方、外からのスキンケアについては、保水、保湿、保護が必要だとした。
保水、保湿、保護については、同社 企画部部長の中野香代氏が「メルシーケア薬用カレンデュラ」の概要を説明。同製品の開発のきっかけは、アトピー性皮膚炎で肌をかきむしる子供を持つ、同社のママ社員の「かわってあげられなくて、ごめんね」という一言であったという。
2011年から開発に着手。最適な原料を求めて国内外を渡り歩き、試作品を作ってきた。そこで辿り着いたのが、「カレンデュラ」という西洋ハーブで、この花びらから抽出されるエキス「トウキンセンカエキス」を高配合することで、赤ちゃんの肌をやさしく守る。
カレンデュラは昔からヨーロッパにおいて、湿疹、炎症、切り傷などのケアに使われてきた歴史のある花。肌の万能ハーブともいわれ、皮膚の修復・保護作用に優れる。「トウキンセンカエキス」についてはおむつかぶれに対する治療効果があり、海外において臨床研究結果も発表されている。
アトピー性皮膚炎の場合、乾燥がひどいため、まず水分を与えることが必要。そのため、「メルシーケア薬用カレンデュラ」では、まずウォーターでしっかり保水し、ミルクとクリームを重ねることで保湿、保護効果を高める3ステップを採用している。「かゆみはQoLを下げる原因。まずは、かゆみを抑えるものからスタートするのが大切」(中野氏)。このほか、おむつかぶれを防ぐ「おしりケアスプレー」も用意している。
楽天市場、Amazonで購入可能。「春に店頭展開も検討している」(中野氏)という。
同社では、「メルシーケア」ブランドをスキンケアとステロイドの中間に位置づけており、「ステロイドと同時に使ってもらいつつ、脱ステロイドを目指す」(中野氏)としている。
- 参考リンク
- シースター株式会社
- 皮膚科専門医 山本綾子氏 公式サイト