保湿入浴剤、アトピーへの効果見られず
2018.05.18
国際部
小児のアトピー性皮膚炎患者に対する保湿入浴剤の臨床的効果および費用対効果を検証した研究結果が5月3日、「BMJ」オンラインに掲載された。
英国96か所の医療施設からの1~11歳の小児アトピー患者462人を対象に、12カ月間の試験を実施した。評価は、週1回16週間、患者による湿疹評価(POEMスコア)で行った。また、1年間の湿疹重症度、医療機関受診につながる湿疹増悪回数、疾患特異的生活の質、包括的生活の質、費用、処方された局所コルチコステロイドまたは局所カルシニューリン阻害薬のタイプおよび処方量を調査した。
その結果、16週間における週当たりPOEMスコアに、入浴剤使用群と入浴剤非使用群で統計的有意差は見られなかった。調整後POEMスコアは入浴剤非使用群で0.41ポイント高く、臨床的に意義のある最小変化量の3を下回った。費用対効果、有害事象などにも、入浴剤の使用/非使用による差はなかった。
研究者らは、保湿入浴剤が小児アトピー標準治療への追加効果を示すとのエビデンスが確認されなかった、また、洗い流さないタイプの保湿剤および石鹸代用品に対する研究調査が必要であると述べている。