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アプリコットカーネルでシアン中毒例

67歳の男性がアプリコットカーネル抽出物の摂取でシアン化物の中毒を発症した症例が9月11日、「BMJ Case Report」オンラインに掲載された。

この問題は、男性が日常的な外科的介入(手術)のための麻酔中に低酸素症であることから判明した。血液検査をしたところ、血中のシアン化物が高濃度なことが確認された。男性は、ノバダリン3錠(市販品:ハーブフルーツカーネルサプリメント)に加えて、過去5年間毎日、自家製のアプリコットカーネル抽出物を2回服用していた。アプリコットカーネルには毒性のあるシアン化物が含まれており、男性はハーブサプリメントと合わせて、毎日17.32ミリグラムのシアン化物を摂取していたと推計された。担当医師は果物の種の核(カーネル)部分に含まれるシアン化物の危険性について説明したが、男性はそれでも摂取を続けることを選択したという。

アプリコットカーネルは杏仁(あんずの種の核部分)と呼ばれる部分を指し、ここから採れる抽出物には消化の過程でシアン化物を発生する青酸配合体のアミグダリンを含んでいる可能性がある。今回の例では、男性が青酸中毒の危険性を承知しながらも摂取を続ける理由は述べられていないが、アミグダリンはかつてビタミンB17という名称で呼ばれ、栄養素と考えられていた時代がある。現在では、ビタミンB17説は否定され、アミグダリンはむしろ害があるものとして認識されている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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