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冬の肌が乾燥する原因はフィラグリン分解物レベルの変化

冬の肌はなぜ乾燥するのかを研究した論文の発表があったことが3月7日、国際的学術出版社Wiley社からプレスリリースされた。研究の詳細は「British Journal of Dermatology」オンラインに掲載された。

今回の研究では、成人男女各80人のボランティアを募集。頬と手を対象とした皮膚テストおよびNMF(天然保湿成分)および皮膚テクスチャ指数(Dermal Texture Index:DTI)による分析を実施した。その結果、頬の皮膚では、夏に比べて冬の間にNMFレベルが低下し、DTIスコアが上昇していた。高齢のボランティアは、若いボランティアよりNMFレベルが高かった。 夏には、DTIレベルは自己報告された紫外線曝露に依存していた。 手の皮膚では、冬のNMFレベルは夏より高く、女性の参加者は男性の参加者よりNMFレベルが高かった。さらに、フィラグリン(肌のバリア機能を維持するのに役立つタンパク質であるフィラグリンの分解産物のレベルが、冬と夏とで変化していることが確認された。

論文著者のひとり、デンマークのコペンハーゲン大学Jacob Thyssen博士は「この研究は、皮膚バリアが気候や季節変化の影響を受けていることを明らかにした。緯度が高い地域では冬に頬が赤くなる現象が良く見られ、ここからアトピー性湿疹や酒さなどのより永続的な症状を発症する人もいる。夏は日焼け止めで、冬は軟化剤で皮膚を保護すべき」と述べている。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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