地中海式食事法に骨粗しょう症予防効果も期待
2018.07.17
国際部
健康的な減量方法法として知られ、また血管の健康や腸内環境の改善にも良いとされる地中海式食の人気は高い。今回の研究では、地中海式食の骨の健康への効果を調査した結果が、7月11日、「The American Journal of Clinical Nutrition」オンラインに掲載された。
欧州の5つの医療センターで、地中海式食事法が高齢者の健康にどのような影響を与えるかを、炎症、骨密度、骨およびコラーゲン分解マーカーなどで評価した。合計1294名の参加者(平均±SD年齢:70.9±4.0歳、男性44%)がこの研究に参加、うち1142人が1年間の試験を完了した。介入群は、全粒粉パスタ、オリーブ油、ビタミンD3サプリメント(10μg/ d)を含む食物の供給と合わせて、個々に調整された食事法のアドバイスを受けて、1年間の地中海式食事を摂取。対照群は、健康的な食事に関する手引書のみが提供された。
その結果、1年間の地中海式食事は骨密度、骨吸収マーカーの尿中遊離ピリジノリンまたは遊離デオキシピリジノリンには影響がなかった。一方、血清中の25-ヒドロキシビタミンDには有意な増加が見られ、副甲状腺ホルモンは減少した(P <0.001)。また、骨粗しょう症既往のある人では、大腿骨頚部の骨損失率を有意に低下させることがわかった。