アイメディカルの健康医療システム10月開始、5年後300施設導入へ
2013.07.30
編集部
リゾートトラストと三井物産両社が合弁で設立したアイメディカル(東京都港区)は、クラウド型健康医療システムを開発。第1弾として健診者年間6万人にのぼるミッドタウンクリニックが同システムを導入し、今秋からサービスを始める。また、5年後に医療機関300施設に同システムを導入してネットワーク網を構築し、利用者のサービス向上に繋げる。
健康医療システムは、クラウド型電子カルテ、健診予約システム、健診結果通知システムなどから成るメディカルサービスシステム(アプリケーションパッケージソフト)。リゾートトラストが提携・受託サービスしている医療機関、介護施設の利用者に対し、早期発見、予防、治療、在宅医療、訪問介護など情報の一元化を狙いに開発した。
同システムの特徴は、健康診断・人間ドックの結果をウエブサイトで表示・管理し、医師の監修のもとで受診者個人にカスタマイズされた動画配信による結果を説明。同時に、健診結果から抽出される糖尿病や肥満、高脂血症などの生活習慣病予備群に対し、医療機関や製薬会社と連携して健康予防指導や医療情報の提供、サプリメントや健康食品の推奨などワンストップサービスを実現できる。
第1弾として今年10月にも同システムを健診者年間6万人、患者数年間20 万人にのぼる医療法人ミッドタウンクリニックが導入してサ―ビスを始める。同クリニックは、JTBとリゾートトラストが業務提携するメディカルツーリズムの指定医療機関。
同クリニックのシステム導入を皮切りに、リゾートトラストが全国の提携医療機関や受託サービスを行っている介護関連施設に同システムを販売し、導入促進を図る。5年後に提携医療機関300施設に同システムを導入して一大ネットワーク網を構築し、一体的医療サービスを確立する。
リゾートトラストと三井物産が今年6月に「アイメディカル」(リゾートトラスト子会社アドバンスト・メディカルケア51%、三井物産49%出資)を設立したのは、医療・健康分野でIT化を促進し、未病・予防医療分野を強化したいとする両社の方向性が合致したこと。特に、リゾートトラストが合弁で新会社を設立して健康医療システムの開発・販売に乗り出した背景には、メディカル事業部門の収益向上を狙いとした経営戦略に基づく。
リゾートトラストのメディカル事業は、今期(2014年3月期)売上高134億3000万円を計画。今度、医療クラブ会員権の販売や有料老人ホームを中心としたメディカル・シ二アライフ事業領域のボリュームアップを目的にIT分野に進出した。