協同乳業、腸内マイクロバイオームの代謝経路の追跡で成果

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2018.10.26

編集部

メイトーブランドの協同乳業株式会社(東京都中央区)の松本光晴主幹研究員らは、ゲノム情報による解析では発見困難な副産物を経由する代謝経路の存在を明らかにした。

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社の大賀拓史研究員らとの、腸内マイクロバイオームによるアルギニンから生理活性物質ポリアミンへの生合成経路を探索する共同研究における成果。

消化管下部まで届いた食事由来の物質は、腸管内でマイクロバイオームによる代謝を受け、その代謝産物が宿主の健康に大きな影響を与えている。腸内マイクロバイオームは、ヒトの遺伝子数の100倍以上の遺伝子を保有し、この代謝にも関与していることから1つの臓器として捉える考え方が広まっている。

しかし、多種多様の腸内細菌が棲息し、各々が独自の代謝経路を保有し絡み合っているため、集合体としては極めて複雑で、マイクロバイオームによる代謝経路や物質変換の研究報告はほとんどない。

今回の研究では、アルギニンの経口投与で腸管内の生理活性物質ポリアミン濃度が上昇する現象を解明する目的で、腸内マイクロバイオームによる代謝経路を、ラットの腸管内で、安定同位体でラベル化したアルギニンとCE-TOFMSを用いて追跡調査を行った。

その結果、アルギニンからポリアミン(プトレッシン、 スペルミジン)への変換が証明されるとともに、オルニチンやシトルリンなどの代謝経路の中間物質の菌体外への放出、さらにそれらは再吸収・利用され、ポリアミンまで変換され放出されるという集合的な生合成経路の存在が認められた。

これは、腸内ポリアミン濃度をコントロールするための重要な知見であることを示すとともに、安定同位体ラベル追跡解析が他の食事成分や代謝産物に対しても応用できる可能性を示している。

さらに、マイクロバイオームの代謝系が多数の菌種による個々の代謝系の集合体であることを証明し、メタゲノム解析のような単独細菌のゲノム情報をベースとしたアプローチのみでは、発見困難かつ説明困難な集合的代謝経路が存在することを示しているとしている。

参考リンク
協同乳業株式会社

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