眠る前の運動は良質な睡眠を邪魔しない
2018.12.19
国際部
ベッドに入る前に運動を行うことと、睡眠の質との関連を調査した研究成果が12月13日、スイスのチューリッヒ工科大学からプレスリリースされた。現在では、上質な睡眠を妨げるとして、寝る前の運動は推奨されないことが多い。今回の研究では、夕方の運動が睡眠に及ぼす影響と、その影響の程度が運動の強度や時間により変化するのかをシステマティック・レビューで検討した。
夕方の運動は、ステージⅠの時間を短縮したが、レム睡眠、徐派睡眠の時間は延長した。調整変数を使った解析で、床に入るときの体温が高いことと睡眠効率の低さに関連が見られ、睡眠中の覚醒は増加していた。身体的ストレスレベルが高いほど、より低い睡眠効率およびより多い睡眠中覚醒と関連していた。サイクリングと比較して、ランニングはより少ない睡眠中覚醒と関連していた。今回の研究は、夕方の運動が睡眠に負の影響を与えるという従来の説を支持していない。しかし、就寝前1時間以内の激しい運動は、入眠期、全睡眠時間、および睡眠効率が損なわれる可能性があることが示唆された。