日焼け止めの皮膚がん予防効果の評価は難しい
2019.07.19
国際部
皮膚がん予防のための局所日焼け止め剤適用に関するシステマティック・レビューの結果が7月11日、「Cosmetics」オンラインに掲載された。
直射日光への長時間曝露に際に日焼け止めを塗布することは、日焼け、光老化、および皮膚がんリスク(メラノーマおよび非メラノーマ皮膚がん)からの皮膚の保護に効果的であるとされる。また、この予防戦略は医療コストの大幅な削減につながることも期待されている。しかしながら、現在のところ日焼け止め剤の使用とUV誘発損傷に対する有意な長期的利益との関連性を明らかにした研究はほとんどない。今回の研究では、公表されている文献(1993~2017年)からメラノーマ、非メラノーマ皮膚がん、または前がん性皮膚病変の予防における日焼け止め使用の影響を報告した適格な研究を選択し、7件を対象にシステマティック・レビューを実施した。
その結果、すべての研究は、日焼け止め剤の使用がメラノーマ、非メラノーマ皮膚がん、または前がん性皮膚病変の減少と関連していることを示唆していた。一方で、日焼け止め剤のスペクトル、その適用方法および適用量などの実用に際してのデータは十分とは言えず、日焼け止めの有効性を評価することの困難さも指摘された。