肥満や貧血の患者では、美容整形手術後の再入院が増加
2013.09.3
編集部
美容整形手術後に再入院リスクについての調査研究が、アメリカ形成外科学会(ASPS)の公式医学雑誌「Plastic and Reconstructive Surgery」9月号に掲載された。
米国ペンシルバニア大学病院のJohn P. Fischer博士らは、2011年に米国の大学で行われた外科手術のデータベースから、美容外科および再建外科手術を受けた約1万人の患者の情報を分析した。この分析は、整形手術後の再入院リスクに焦点を当てた、最初の大規模研究の1つである。
患者の平均年齢は49.5歳、約8割が女性で、多くの女性が美容または再建の乳房手術を受けていた。術後30日以内の再入院は4.5%で見られた。ほとんどの患者が健康体だったが、32%が肥満、18%が貧血だった。この2つは再入院リスクと関係しており、肥満患者では20%、貧血患者では80%がリスクと関連していた。
術後合併症は約11%で見られ、創傷関連の合併症は特に再入院リスクが高く5-6倍だった。病状に関連した合併症ではリスクが2倍だった。
論文では、この術後合併症の発症が大きな再入院リスクと結論しており、肥満や貧血など高リスクを持つ患者の再入院率を下げるために特に配慮が必要と述べている。配慮とは、高リスク患者の早期特定、カウンセリングやケアの充実、緊密なフォローアップなど。
Fischer博士らは、「術後合併症が起こった場合、 再入院が6回という患者が最も多かった。よりよい術前カウンセリング、術後や退院後のケアなどで、外科医と医療システムを支援することができると示唆された」と述べている。
術後の「予定外入院」は、病院の品質評価と医療の過剰コスト算出のための重要な指標でもある。医療改革制度に取り組んでいる米国では、「このような予定外入院に関するコストが病院の財務に与える影響面を考えての取り組みが重要になることがある」と研究者らは述べている。