化粧品防腐剤パラベンの出生前曝露で体重増加

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2020.02.18

国際部

妊娠中の女性がパラベンを含む化粧品を使用することと出生児の体重が増加する可能性の関連を論じた報告が2月12日、ドイツのHelmholtz Centre for Environmental Researchからニュースリリースされた。詳細は「Nature Communications」に掲載されている。

今回の研究は、小児期の発達に関する環境要因を調査する「LINA母子コホート研究」において、妊娠中女性の尿中に検出されたパラベンが子供の体重に影響を与えたかどうかを検討する途中で、母親の尿中ブチルパラベンの濃度と8歳の誕生日までの子供、特に娘の、より高いBMIとの間に正の相関関係があることを発見したもの。

妊娠中女性が防腐剤のパラベンを含む化粧品を長期間使用することで「皮膚からパラベンを吸収し、子供の過体重につながる可能性がある」と同研究所環境免疫学者のTobias Polte博士は述べている。

その後、妊娠中女性の尿中ブチルパラベンがどこから来たのかを調査したところ、クリームやボディローションなど特に長期間皮膚に残る化粧品に含まれるパラベンを由来としていることが分かった。また、その基礎メカニズムを追跡するために、マウスモデルで妊娠中のパラベンへの曝露シミュレート実験を重ねたところ、マウスはブチルパラベンを皮膚から吸収することがわかった。対照のマウスと比べ、パラベンの曝露を受けたマウスは食欲が旺盛で、ここでも特に雌のマウスでの体重増が確認された。現在、パラベン曝露による食欲増進効果へのエピジェネティックな研究が進められている。

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