オンラインの疾患症状セルフチェックアプリの信頼性
2020.05.29
国際部
スマホやPCを利用して自分でできる、無料の症状チェックサイトの信頼性を検討した調査結果が5月11日、「Medical Journal of Australia」オンラインに掲載された。
今回の調査は、豪Edith Cowan Universityによるもの。オーストラリアからアクセス可能なPCまたはスマホ用アプリで提供される症状チェッカーによる疾患診断と重症度評価の質を検討した。対象アプリは36個、48種のビネットテストだった。ビネットテストは、質問者側から提示された状況に対して、「そのような時に、どう行動するか」を回答させる形式の調査方法で、災害時の避難行動や消費者動向のアンケート調査などでも活用されている。
検討の結果、最初に正しい診断を出す確率は36%に過ぎなかった。人工知能アルゴリズムを使用するチェッカーでは、そうでないチェッカーに比べて最初に正しい診断を出す確率が高かった(46% 対 32%)。診断アドバイスの質は症状チェッカー間で大きな差があり、重症度アドバイスは一般にリスクを回避する傾向が高く、多くの場合で必要以上に緊急のケアを勧めていた。