救急搬送時には服用中サプリの情報も必要
2020.06.22
国際部
救急医療専門の学術ジャーナル「American Journal of Emergency Medicine」に6月1日、救急医療に携わる医師や看護師に患者の常用するサプリメント(栄養補助食品)の情報を伝えることが大切であるという論文が掲載された。
世界中で、老若男女を問わず数百万人が、ビタミンやミネラルなどの栄養補助食品や錠剤やカプセル剤などのサプリメントを使用している。また、特にプロテイン、アミノ酸、共役リノール酸などのサプリメントは、パフォーマンスを向上させる目的で、高校生、大学生、プロのスポーツ選手、ボディービルダー、アマチュアスポーツ愛好家に使用されている。これらのサプリメントの成分は製品ラベルに記載されていない場合もあり、さらに成分の有害な代謝物は消費者が把握できない状態にある。今回発表された論文では、生命にかかわる脳症、肝不全、横紋筋融解症、ウィルソン病を模倣した銅毒性が考えられる多くの栄養補助製品、パフォーマンス向上、減量サプリメントを使用していた32歳ボディービルダーの救急搬送例を提示し、救急医や看護師は、これらの潜在的有害性を持つ影響補助製品の影響を認識し、原因不明の多臓器不全の患者には必ずサプリメント使用の有無について質問する必要があることを確認した。また、患者の家族、友人、または知人に、分析のために実際の製品を病院に持っていくよう依頼する必要があることも示された。