クロロフェノール曝露と中心性肥満との関連
2020.09.3
国際部
尿中クロロフェノールと中心性肥満との関連を示した韓国の研究結果が8月29日、「Environmental science and pollution research international」オンラインに掲載された。
定期健康診断で受診した7~8歳の少女165人(中心性肥満91人および非中心性肥満74人)を対象に、尿中クロロフェノール濃度と中心性肥満との関連を検討した。測定した尿中濃度は2,4-ジクロロフェノール(2,4-DCP)、2,5-ジクロロフェノール(2,5-DCP)、2,4,5-トリクロロフェノール(2,4,5-TCP)、および2,4,6-トリクロロフェノール(2,4,6-TCP)とし、液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析で評価した。
その結果、中心性肥満グループは、非中心性肥満グループよりも尿中2,5-DCPおよび2,4,5-TCP濃度が顕著に高かった。尿中クロロフェノールのモル濃度の合計も、中心性肥満グループで有意に高かった。クロロフェノールモル濃度の最高四分位グループは最低四分位グループと比べ、共変量調整後の体格指数(BMI)、ウエスト周囲長(WC)、およびウエストと高さの比(WHtR)が有意に高かった。研究者らは「韓国女児でクロロフェノール曝露と中心性肥満の間に正の関連があることを発見した。調査結果を確認するには大規模な前向き研究が必要である」と述べている。