外食のカロリー表示義務化は効果があったのか?

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2013.10.8

編集部

2010年にオバマ大統領が医療保険制度改革法案に署名し、店舗数20以上の外食チェーンは、提供するすべての商品のカロリーを表示することを義務付けられた。対象は全米で20万店に上るという。

この法案に基づき実施された、カロリー表示義務化前後の外食のエネルギーと塩分量を比較した研究が、「Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics」10月号に掲載された。

研究によると、塩分は平均70mg少なくなっていたが、全体的には塩分、カロリーとも義務化前後で大きな変化は見られなかった。外食チェーンの種類による違いも発表されている。いわゆるファミレス・チェーンでは高塩分だったメインディッシュの塩分が減少したものの、依然推奨値よりも高かった。ファストフード・チェーンでは子供用メインディッシュのカロリーが40kcal減少していた。小規模展開のチェーンでは目立った変化はなく、あったとしても全てが「健康志向」の方向に向かっているとは言えなかった。

研究者らは、この1年の調査で、カロリーや塩分の変化に意味のあるものがあったとは言えないとし、カロリー表示の義務化で外食が健康的になったという誤解があるかもしれないと危惧している。

日本では、2002年に公布された「健康増進法」により、社員食堂などでの栄養指導やカロリー・栄養成分の表示を義務付けるなどした。

その後、この健康増進法を受けて、外食チェーンでのカロリー表示を行政指導が行う自治体も出ている。東京都では「東京都における外食料理栄養成分表示ガイドライン」が出され、義務化はしていないが、カロリーを表示したほうがよいという方向性を示した。現在、食品表示一元化に向けての検討会議が重ねられているという。

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