仏産化粧品原料、「化粧品産業技術展」環境部門で受賞 製品機能や生産企業のSDGsを公開

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2021.09.21

編集部

医薬・化粧品事業などを展開する株式会社樋口商会(東京都港区/代表取締役社長:大浜 亘)は9月14日、同社が取り扱う化粧品原料「JADE ALGATM(ジェイドアルガ)」が、「第10回化粧品産業技術展 CITE JAPAN 2021 アワード」の環境部門で、持続可能な資源を利用した製品としてブロンズ賞を受賞したことを受け、同原料の機能と環境問題への取り組みについて明らかにした。

この「JADE ALGATM」は、フランスODYCEA社(本社:Lannion, フランス/CEO:Fidji Briand)が製造するもので、フランス、ブルターニュ地方の海辺で大量繁殖し環境問題・社会問題を引き起こしているオオバアオサのエキスを原料としている。

そのオオバアオサは、干潮と満潮の影響により極端な乾燥と水和にさらされながらも細胞が損傷することはない。

そこにODYCEA社は着目。オオバアオサが生命を維持する事ができるのは含有するウルバン多糖類に起因する形状記憶機能(Fig.2)によるものである事を発見した。

さらにオオバアオサから得られれたエキスを皮膚に塗布した際、角質層に対して類似の形状記憶機能を付与することができることも見出した。。

そこでオオバアオサから生まれた「形状記憶テクノロジー」を化粧品に応用し、角質ケア(ソフトピーリング・落屑促進タンパク質の産生促進・角質構造タンパク質の産生促進)、抗酸化に関する有効性を示す製品「JADE ALGATM」の製造を開始した。

そしてこの「JADE ALGATM」は、さまざまなSDGsへの取り組みに基づいて作られている。その内容は次のようなものだ。

1)社会平等への取り組み(適合するSDGs/5:ジェンダー平等を実現しよう(5.5)、11:住み続けられるまちづくりを(11a))

ODYCEA社は国際労働機関の労働条件に同意しており、とくに社会的平等と現地での事業提携を重視している。同社の経営者は女性であり、研究開発業務で女性の就業のサポートや製造工程の一部で障害者の方の雇用サポートを行っている(従業員の女性比率:60%以上(2021年6月現在))。

2)環境問題への取り組み(適合するSDGs/11:住み続けられるまちづくりを(11.7)、13:気候変動に具体的な対策を(13.1)、14:海の豊かさを守ろう(14.1, 14.2, 14a)、15:陸の豊かさを守ろう(15.1))

近年オオバアオサは大量発生し、未回収のオオバアオサから発生した硫化水素が原因と推測される水難事故や海洋生物の死亡や動物の病気が報告されている。「JADE ALGATM」はこのオオバアオサを出発原料した化粧品の有効成分をもつ製品である。

3)製造工程に関する地球温暖化への取り組み(適合するSDGs/12:つくる責任つかう責任(12.2, 12.4, 12.5, 12b)、13:気候変動に具体的な対策を(13b))

・サステナブルな海藻採取の工程:持続的な海藻採集を可能にするため、採集する海藻の最低年齢(サイズ)やカットする位置を考慮しています。並びに採集場ローテーションを厳守

・サステナブルな製造工程:海藻の前処理は海水と風のみを使用し。さらに、製造後の副産物は農産業分野で活用されており、使用した溶媒も再利用している

なお「CITE JAPAN 2021 アワード」とは、化粧品産業技術展(CITE JAPAN)で展示された製品、技術、サービスの中から、化粧品業界への貢献度や革新性、インパクトがより優れているものを選出し表彰する制度だ。

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