100周年のハウス食品、健康食品を成長分野に位置づけ事業展開
2013.12.3
編集部
今年10月に創業100周年を迎えたハウス食品グループは10月1日、持ち株会社体制に移行、ハウス食品グループ本社の下に香辛・調味・加工食品事業を展開するハウス食品株式会社と、健康食品事業を中心とするハウス・ウエルネスフーズ株式会社に事業を再編した。成長分野と位置付けた健康食品では、身近で購入できる家庭用ケア食品分野の商品開発に注力している。
同社は第4次中期計画の2年目に入り、健康食品と海外分野を成長分野と位置付けて事業展開している。特に健康食品分野では、家庭用のケアフードに本格参入し、「おいしさ、家庭団らんの楽しさ、栄養をしっかり」を旗印に、他社とは際立った介護食を売り出している。
2012年8月に発売した介護食「やわらか肉のレトルト」シリーズはその目玉商品だ。カレーやシチューに加え、2013年2月には、和風メニューを登場させ、やわらか肉の「牛すき煮」「親子煮」「豚と大根のうま煮」の3品を売り出した。有名和食店で社員を修業させて素材の味、だしの取り方を学んで商品に生かした。 8月には「やさしくラクケア とろとろ煮込みのレトルト」(画像)を販売。ケア食品に関しては、食品メーカーの中では後発だったが、新メニューを相次ぎ登場させ、ヒット商品を生んでいる。
要介護者の増大から2012年に介護報酬制度が改定されて、施設から在宅介護へシフトチェンジを目指すことになった。しかし、介護食市場は病院・施設向けが9割で、在宅向けは1割にすぎないのが現状。また、介護食商品が身近な店で買えることのアピールが不足していることも業界全体の課題となっていた。