“倒産”のプラスチック容器メーカー・和田工業、民事再生手続きへ
2014.05.15
編集部
2月12日に東京地裁へ自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けていた和田工業株式会社(資本金4350万円、墨田区本所3-21-10、代表和田圓氏)は、5月7日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請していたが、15日に再生手続き開始決定を受けるとともに、管財人による管理命令を受けた。
管財人には申請代理人の松田耕治弁護士(千代田区丸の内)が選任された。再生債権の届け出期間は6月11日まで、認否書の提出期限は7月9日、再生計画案の提出期限は8月5日となっている。
破産手続き開始決定後に民事再生法の適用を申請するのは極めて異例のケース。負債は約30億8900万円の見込み。
同社は1932年8月創業、41年9月に法人改組されたプラスチック容器メーカー。化粧品容器、薬品容器、家電部 品等の製造、販売を主に行い、高い技術力を背景に化粧品メーカーや電機メーカーなどを主な販路に2005年8月期には年売上高約46億6000万円を計上していた。 得意先各社の海外シフトや同業他社との価格競争、さらにリーマン・ショック以降は資金繰りが厳しさを増し、2013年8月期の年売上高は約18億円にまで減少、2月12日に東京地裁へ自己破産を申請していた。
その後も裁判所の許可を得て、破産管財人のもとで一部容器の製造を続け、従業員との雇用関係もそれに従って継続していた。この間、得意先からの 受注が順調に推移。仕入先および従業員の協力を得て生産体制も回復するなか、4月30日に東京地裁より民事再生法を申請する許可を得て、5月7日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請していた。