質の良い睡眠確保に睡眠暗示テープが効果
2014.06.11
国際部
睡眠暗示の音声テープの効果を調査した論文が「SLEEP」誌6月号に掲載された。
ヒトの睡眠はその質の違いで、ノンレム睡眠(non-REM sleep)とレム睡眠(REM sleep)に分けられる。ノンレム睡眠は眠りの深さによってさらに4段階に分けられ、深いほうの3、4段階の睡眠は徐波睡眠(slow wave sleep: SWS)と呼ばれている。この徐派睡眠の間に成長ホルモンの分泌が見られることから、この睡眠は修復に関連し、脳の可塑性を促進していると考えられている。
スイスのチューリッヒ大学睡眠研究室による今回の研究では、平均23.27歳の女性70人を対象に、催眠暗示する音声テープを聴いてもらい、その後の昼寝中の睡眠の深さを計測した。その結果、催眠暗示のあと徐派睡眠が81%増加し、徐派活性が大幅に上昇した。徐派睡眠以外の睡眠には影響がなかった。
研究者らは、特に若い女性の昼間の睡眠において、徐派睡眠の量と時間を増加させるのに、睡眠暗示テープが有効で、薬を用いた方法よりも副作用がない分、使いやすいのではないかと述べている。