低炭水化物ダイエットは心臓にもいい
2014.09.4
国際部
減量のためのダイエットで人気のある低炭水化物ダイエット(ローカーボ・ダイエット)だが、心血管への影響はよくわかっていなかった。9月2日に「Annals of Internal Medicine」オンライン版に掲載された試験は、糖尿病の心血管疾患患者男女148人を対象に、低脂肪食と低炭水化物食で比較を行った。低脂肪食は、1日の総摂取エネルギーのうち総脂肪からのエネルギーを30%未満にする(飽和脂肪は7%未満)もの。低炭水化物食は、1日の炭水化物量を40グラム未満にするもの。
試験開始から12か月後、体脂肪食グループでの-1.4キロに比べ、低炭水化物食のグループでは-3.5キロという大きな体重減少が見られた。体脂肪量、血中HDLコレステロール、トリグリセリドレベルも低炭水化物グループで減少が見られた。研究者らは、低炭水化物食は低脂肪食よりも体重減少および心血管危険因子の低減に効果的だったと結論した。
低炭水化物ダイエット(ローカーボ・ダイエット)は、糖質制限食、糖質制限ダイエットとも言われ、近年さかんに行われるようになったダイエット法のひとつ。もともとは、肥満や糖尿病の治療のため、食事の炭水化物を制限する食餌療法。体重減少や血糖値を下げ、安定させることが目的だった。低炭水化物食の副作用として、便秘・頭痛・低血糖といった症状のほか、心血管リスクを示す、血清CRP値と尿中コルチゾール値の上昇などが観察されていた。