日本屈指のコラーゲン研究家、医学博士・石井光先生に聞く プロとして正確な知識を!
2011.04.10
編集部
長年コラーゲンの臨床研究を続け、話題のプラセンタについても造詣の深い、「若返り13の法則」(万葉社)の著者・医学博士 石井光先生に、今号では美容業界で熱い注目を集めるプラセンタについてご意見をうかがった。医師としての立場から専門的なお話をうかがうので、ぜひ自サロンに製品を導入する際の参考にして頂きたい。
現在のプラセンタサプリは注射よりEGF・FGFの生理活性が高い!?
―プラセンタにも多種ありますが。
石井博士(以下・石井):現在の技術はとても進歩していて、プラセンタサプリメントでの摂取と、医療機関でのみ扱われているヒトプラセンタは効果にほとんど差がなくなっています。
―サプリメントが医療機関のものと変わらないというのは衝撃的です。
石井:医療分野でプラセンタを投与する方法は二つ。一つはヒトプラセンタ注射液(医薬品)。これは1959年に厚生省から認可されました。ですが当時の抽出方法ではプラセンタの肝心な成分、成長促進因子(FGF)や再生因子(EGF)の活性がかなり失われることがわかっています。厚生省は製法は変更しないため、ヒトプラセンタ注射液は、いまも昔の製法で作られています。もう一つは“埋没療法”。これは胎盤の組織片を直接皮膚に埋め込みます。効果は抜群ですが副作用が強い。注射液にはこの埋没療法の100分の1程度しか成長因子が含まれていないと言われています。現在のサプリメントは副作用もなく、この埋没療法に極めて近い効果があるほど技術が進歩しています。
医師も認めるプラセンタの美容効果コラーゲンと併せて効果倍増!
―プラセンタの美容効果は?
石井:メラニンの生成を抑え、メラニン色素を含む細胞の排出を促します。その結果シミ、シワ、たるみ予防・改善、特に美白には大きな効果が認められています。プラセンタと一緒にコラーゲンを摂取すると、新旧細胞の交換を促して肌の柔軟性や弾力性を取り戻すので併用が効果的です。
―サプリメントとドリンク、どちらがお勧めですか?
石井:どちらでも変わりません。ただ、一度粉末にしたものをドリンクにするので、ドリンクは生産コストがかかります。価格の面を考えると粉末のカプセルタイプがお勧めです。
―原材料も多種あるのですが?
石井:どれも大差ありません。「アミノ酸が○○倍」と差がうたわれている例がありますが、あれはドリンクと粉末を比較したデータです。薄めたドリンクと、そのままの粉末。薄めたほうがアミノ酸量が少ないのは当然のこと。両方とも粉末で比較した日本食品分析センターのデータでは、ブタが72・47g/ 100 g、馬が76・6g/ 100 gとアミノ酸量にほとんど差はありません。データのトリックに注意して頂ければと切に願っております。
◆次回はプラセンタとコラーゲンの効果的な飲み方についてうかがいます!
石井 光(いしい ひかる)
新日本橋石井クリニック院長・医学博士