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重度のうつ症状に「笑気ガス」が効果

ストレスの多い現代社会で、うつ病は比較的よく見かける疾患となっている。SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)などが代表的な抗うつ薬だが、薬の効果が感じられるまで数週間かかることや、これらの薬が効かない人が多いという課題があった。

今回、歯科の麻酔で有名な「笑気ガス」にうつ症状を軽減する効果があったという論文が12月15日、「Biological Psychiatry」オンライン版に掲載された。

治療が効かないうつ病(treatment-resistant depression:TRD)患者20人を対象に、50%亜酸化窒素(笑気ガス)+50%酸素を吸入する群、50%窒素+50%酸素を吸入するプラセボ群の2つに分けて、うつ症状の改善度を測定した。改善度はハミルトンうつ病評価尺度21項目版(HDRS21)で評価した。

吸入時間は1時間、測定は吸入の2時間後と24時間後に行った。その結果、プラセボ群に比べ笑気ガスを吸入した群で、HDRS-21スコアが有意に改善した。治療応答性および完全寛解達成率は亜酸化窒素群で20%、15%、プラセボ群で5%、0%だった。研究者らは、笑気ガスによる迅速かつ著しい抗うつ作用が証明されたと述べている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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