汗で水分を失っても、塩分補給には要注意

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2015.04.20

国際部

忍耐力・耐久力を要求されるようなスポーツのアスリートが「塩分」をとっても、パフォーマンスは向上しないという研究が4月13日、米国セントルイス大学のサイトで紹介された。

塩分のサプリメントが持久力の必要なアスリートのパフォーマンスに良くも悪くも何の影響も与えない。同大学栄養学のEdward Weiss教授は、この知見を「Journal of Sports Science and Medicine」に発表した。

運動中に汗によるナトリウム(塩分)の損失を補う目的また、パフォーマンスを向上させる可能性があるという理論の下、競技中あるいはトレーニング中に塩分またはナトリウムを含む他の電解質のサプリメントを取るアスリートは多い。スポーツ飲料に含まれているナトリウム程度は問題にならないが、塩分サプリメントやナトリウムパウダー添加のドリンクなどでは過剰なナトリウム摂取が懸念されるという。

Weiss教授らは、2リットル以上の汗で水分を損失したアスリートに、ナトリウム1800mgを補給したグループとプラセボ(偽サプリメント)を補給したグループに分けて比較検証した。体温調節では、ナトリウム補給による影響は見られなかった。発汗速度、知覚、熱ストレス、皮膚温、脱水状況などについても2つのグループに差はなかった。

高血圧など、塩分の過剰摂取による健康への悪影響を考えると、アスリートに塩分の補充を求めるガイドラインの見直しも必要かもしれないという。特にアメリカ人は全般的に塩分を取り過ぎる傾向があるため、1日の塩分摂取が2300mgを超えている場合は、さらにサプリメントを取るということに注意すべきと研究者らは述べている。

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