ダイエット食〝蕎麦〟を見直す「SOBA FORUM」開催
2013.02.24
編集部
「SOBA FORUM 2013」レポート
2月23日(土)、新宿スタジオALTAにて、「発見!アナタの、ソバの、へルス&ビューティ『SOBA FORUM 2013』」が開催された。
江戸時代には、「現代の信号機の間隔くらいで蕎麦屋が並んでいた」ほど、親しまれていた蕎麦。ファストフードの代表として、また、欠かせない年中行事のひとつとして、日本人の生活に根付いてきた。しかし、近年では、ハンバーガーや牛丼などのチェーン店に押されているのが現状。日本人の体に適した食文化として発展してきた〝蕎麦〟の魅力を見直そうと、全国麺類生活衛生同業組合連合会が主催した。
健康食であり、ダイエット食にもなる蕎麦。しかし、蕎麦ダイエット経験者10%未満
パネラーとして最初に登場したのは、伝統食文化研究家であり「韃靼蕎麦」ブームの火付け役でもある、片山虎之介氏。蕎麦の歴史と、美容食・健康食として注目すべき点について語った。
主な栄養素は、高血圧症や動脈硬化症など生活習慣病予防役立つルチン、腸の病気を予防する食物繊維。そして、カリウム・亜鉛・ビタミンB群なども含む栄養価の高い食品であることが説明された。また、一般的に、〝蕎麦は消化が良い〟というイメージあるが、実は、蕎麦に含まれるデンプンは難消化性であり、消化されにくいために食べても吸収されにくく、ダイエットに適していると示されると、会場は驚きに包まれた。同時に、消化が遅いため、食べても血糖値が上がりにくい「低GI値食品」であると紹介された。
しかし、オブザーバー98名の女性に意識調査を行うと、蕎麦ダイエット経験者は7名という結果に。
「蕎麦は生活習慣病予防に良いと知られているが、ダイエット効果はまだまだ周知できていない。1杯のごはんを、1枚のざるそばに置き換えると、健康にもダイエットにも有効。もちろん、乾麺でも成分は入っている」と片山氏。そして、「塩とオリーブオイルで和えた蕎麦に、トマトジュースに好みのサラダドレッシング入れたタレをかけても美味しい」と、手軽で新しい蕎麦の楽しみ方として、昨年ダイエット効果があると話題になり、売切れが続出したトマトを使ったレシピも紹介された。
世界でも好まれている〝蕎麦粉スィーツ〟。上手に食べれば、スィーツも機能的?
TVチャンピオン「デパ地下グルメ」優勝者である平岩理緒氏からは、蕎麦スィーツの広がりと、体に負担をかけないスィーツの食べ方が紹介された。
現在日本で広まってきている蕎麦粉スィーツは、ぜんざいやパンケーキ。外国でも取り入れられており、フランスのガレットやロシアのブリニが代表格。
「蕎麦粉とビタミンCを同時に摂取すると、ルチンを効果的に体内に取り込めます。フルーツを入れた蕎麦粉スィーツは良いと思います。また、蕎麦粉はビタミンB1、B2も豊富なので代謝を高める効果も期待できます。生クリームを使ったスィーツが食べたい時は、蕎麦の食後や蕎麦粉スィーツをおすすめします」と平岩氏。また、蕎麦はマクロビオティックにも取り入れられるという。
「蕎麦は、江戸時代には、大名屋敷に出入りする美意識の高い女性達に好まれた。日常生活に簡単に取り入れられる美容食として、普及させたい」と片山氏は語った。
■ナビゲーター 小倉淳(フリーアナウンサー、江戸川大学専任講師)
■パネラー 片山虎之介(「蕎麦WEB」編集長、伝統食文化研究家)/平岩理緒(フードコーディネーター、スィーツジャーナリスト/高遠彩子(ボーカリスト、著書「蕎麦こい日記(飛鳥新社)」)/YUKA(人気ブロガー、ブログ「つれづれ蕎麦」開設中)