日本未承認のニキビ治療薬イソトレチノインの調査

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2015.12.7

国際部

副作用が強いとされる難治性ニキビ治療薬のイソトレチノインに関する研究報告が12月2日、「JAMA Dermatology」オンライン版に掲載された。

アメリカでは難治性のニキビに対して使用されているイソトレチノイン(商品名:アキュテイン、ロアキュテインなど)は、重大な副作用の可能性があるため、医師の処方箋なしでは使用できない薬剤である。FDA(米国食品医薬品局)からも、インターネットや個人輸入などで入手することのないよう注意喚起を行っている。なお、イソトレチノインは日本では未承認薬である。

今回の研究は、116の試験から61データを評価対象とし、そのうち 26の研究(患者1574人)にメタ解析を実施したもの。患者は尋常性ざ瘡(ニキビ)の9~35歳、イソトレチノインの経口投与で、用量40 mg/dまたはそれ以上、少なくとも4週間の投与継続を受けていた。評価は脂質レベル、肝機能、全血球算定の検査値とした。

治療中の各データ平均値は
トリグリセリド 119.98mg/dL
総コレステロール 184.74mg/dL
LDLコレステロール 109.23mg/dL
HDLコレステロール 42.80mg/dL
白血球数 6890/μL
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ 22.67U/L
アラニンアミノトランスフェラーゼ 21.77U/L
アルカリホスファターゼ 88.35U/L

この結果、一部の患者では臨床検査値の異常が見られたものの、全体では高リスクへの変化を示す基準値を超えてはいなかった。研究者らは今回のデータから、経口イソトレチノイン標準用量での使用を監視するための、実験室でのテストを毎月実施するという必要性までは示していないとしている。

 

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