美肌によいエピカテキン、心血管死も減らす
2016.05.31
国際部
抗酸化作用が強く、美肌にもよいと言われるエピカテキンが、心血管疾患による死亡を減少させるという報告が5月25日、「American Journal of Clinical Nutrition」オンライン版に掲載された。
エピカテキンはフラボノイドの一種。チョコレートに血管年齢を若返らせる効果があるということが話題となった時に、注目された成分である。フラボノイドの中でも、特に抗酸化作用が強いことで知られ、体内の活性酸素を除去する働きがあるとされている。特に緑茶、リンゴの皮、チョコレート、赤ワインなどに多く含まれている。
今回、オランダのWageningen大学の研究者らを中心に行われた研究はでは、65~84歳の男性774人を対象に、エピカテキンの摂取量と、心血管疾患による死亡率との関連を調査。エピカテキンの摂取量は15年間に4回、死亡率の調査は25年間にわたって調査を実施した。
エピカテキンの平均摂取量は、1日当たり15.2mg。摂取源は、茶由来が51%で最も多く、次いでリンゴ28%、ココア7%だった。摂取量別に3つにグループ分けした、最大摂取量グループは、最小摂取量に比べ、死亡率が38%低かった。すでに心血管疾患を持っている人に限れば、46%低かったが、そうでない人ではエピカテキン摂取量と死亡率に関連は見られなかった。研究者らは、今後の検討が必要としながらも、エピカテキンの摂取が高齢男性の心血管死と関連していることを示唆した。