パッケージ化された個食、肥満対策に実行力あり
2016.06.2
国際部
市販の冷凍個食パックは肥満対策に有効かもしれないという論文発表があったことを5月26日、アメリカ肥満学会のニュースリリースが伝えた。詳細は肥満学会の学会誌「Obesity」に掲載されている。
1食分の量が増えたことがアメリカ人の肥満の原因となっている。そのため、1食分がパッケージ化された食事による減量効果を調査。自己選択の食事よりも大きく体重減少を促進することが確認された。
米国カリフォルニア大学サンディエゴ校家庭医学・公衆衛生学部のCheryl Rock博士らによる今回の研究では「1日2回パッケージ化された食事を摂った人は8%、自由選択の食事の人では6%の体重減少率だった」と述べ、「食事内容への満足感がこの戦略を成功させる大きなカギである」とした。
研究は、183人の参加者を3つのグループに分けて行った。グループ1は1日当たり2食のパッケージ化された食事を摂るもの。グループ2は1日当たり2食のパッケージ化された食事を摂るが、その内容は高たんぱく質食(カロリー25%増)のもの。グループ3は対照群で、自由に食事を摂るものだった。全ての参加者は、自分に合った減量目標の設定のために栄養士などによるパーソナルカウンセリングセッションに事前参加し、目標達成のための行動戦略を学んだ。パッケージ食のグループでは74%が目標達成、対照群では53%だった。食事の満足度はどのグループも同様で、パッケージ化された食事のグループでは、長期の食事計画実行能力に自信があると表明した。
「総エネルギー摂取量を抑えることは肥満対策に重要だが、肥満の人ではなかなか実行が難しかった。この戦略は、肥満に効果的な、エビデンスベースの解決策と考えられる」と、肥満学会スポークスマンであり、テキサス工科大学の栄養科学部准教授のMartin Binks博士は述べている。