高騰する野菜を「1日5品」摂取は難しい:英国

最新商品

2016.11.24

国際部

野菜や果物摂取に関する英国政府の推奨について、英国家庭医学会(Royal College of General Practitioners)会長のインタビューが11月21日、英国一般紙「The Observer」に掲載された。

会長のHelen Stokes-Lampard博士は、英国政府のガイダンス「野菜・果物を1日5品」を止めるべきと述べた。ガイダンスは健康的な食生活を提示し、ビタミン摂取量を増やす目的で2003年に正式に英国政府が採択したものだが、最近の高騰する野菜・果物をみれば、低所得者層が目標を達成するのは「本当に難しい。非現実的な目標は、人々のやる気を失わせる可能性があるので、修正すべき」と博士は言う。

ケンブリッジ大学の研究者らは、2002年から2012年にかけて、さまざまな食品の価格の変化を分析した結果、健康食はジャンクフードを食べるのに比べてコストが3倍かかるとしている。これは、缶詰トマトやセミスキムミルクのような健康食品の価格が冷凍ピザやアイスクリームのような健康的ではない食品よりも価格が急激に上昇し、カロリー当たりでは平均3倍も高くなったためだ。

しかし、「栄養改善のためのグローバルアライアンス」執行取締役のLawrence Haddad氏は目標を廃止すべきだとは考えていない。人々が野菜や果物を買う余裕がないという確たる証拠はないし、また、買うべき野菜や果物が高価なものである必要はないからだという。Haddad氏はまた、スーパーなどで不揃いな野菜の販売制限を緩和して値段を下げるなどの工夫や、生産効率が上がるように農業研究への資金を増やすべきと語った。

#

↑