プレバイオティクスで睡眠もストレスも改善
2017.03.2
国際部
食事で摂取するプレバイオティクスは睡眠とストレスを改善するという研究結果が2月23日、米コロラド大学ボルダー校のサイトに掲載された。
「食事でのプレバイオティクスは、ストレスが強くかかった出来事の後のレム睡眠および非レム睡眠を改善できることが分かった」と同大学統合的生理学部の博士研究員であり今回の論文の第1著者であるRobert Thompson氏は述べた。プレバイオティクスは、チコリ、アーティチョーク、生ニンニク、ニラ、タマネギのような食品中に自然に存在する食物繊維を指す。有益な腸内細菌がプレバイオティクス繊維を消化すると、腸全体の健康を改善し、代謝副産物を放出する。いくつかの研究は、これらの副産物が脳機能に影響を与える可能性があることを示唆していると主任著者で統合的生理学部教授のMonika Fleshner氏は説明した。
今回の研究は、3週齢の雄ラットに標準のエサまたはプレバイオティクスを含むエサのいずれかを与え、体温、腸内細菌および睡眠覚醒サイクルを脳波または脳活動テストを用いて評価した。その結果、プレバイオティック食のラットは、非プレビオティック食のラットよりも安静で修復性のあるノンレム睡眠の時間が多いことを見出した。著者らは「十分なノンレム睡眠と適切な栄養が脳の発達と機能に影響を与え、プレバイオティクス豊富な食事は睡眠の改善と脳および心理的健康に役立つ」とした。ストレス曝露された後、プレバイオティック食ラットはまた、ストレスからの回復促進に重要と考えられているレム睡眠の時間が長かった。
また、ストレスは、消化管細菌の健康な多様性を減少させ、体温の自然変動の一時的な平坦化をもたらすことが指摘されているが、プレバイオティック食のラットでは、ストレス曝露後でさえ健康で多様な腸内微生物叢および正常な温度変動を維持していた。