慢性腰痛にヨガの効果
2017.06.29
国際部
美容と健康、ストレス解消にも良いとされるヨガの腰痛への効果を検討した研究が6月20日、「Annals of Internal Medicine」オンライン版に掲載された。
ヨガは軽度から中等度の慢性腰痛に有効である。しかし、温熱療法や電流刺激法などの物理療法と比較したヨガの効果は不明だった。今回の研究では、ヨガと物理療法の直接比較を、12週間一重盲検3群無作為化非劣性試験で行った。対象は非特異的慢性腰痛を持つ成人320人。12週間のヨガクラス受講グループ、15回の物理療法受診グループ、教育本のみのグループの3群に割り付けられた。12週間の研究実施期間ののち、40週間の維持期間を設けた。
結果は、ローランド・モリス障害質問票(RMDQ)に基づく機能評価および11ポイントスケールに基づく疼痛評価で判断した。非劣性マージンはRMDQで1.5、疼痛スケールで1.0とした。
ヨガのグループは物理療法のグループに対して疼痛・機能性ともに非劣性を示したが、教育のグループに対しては疼痛・機能性ともに優れなかった。鎮痛薬使用は教育のグループと比較してヨガのグループで21%、物理療法のグループで22%低下し、その改善は1年間維持した。研究者らは、非特異的慢性腰痛へのヨガは、物理療法に非劣性を示したとしている。