果糖はブドウ糖より肥満になりやすい?

最新商品

2017.10.17

国際部

果糖とブドウ糖は体内での代謝が異なるという研究結果が10月3日、「The Journal of Clinical Investigation」オンラインに掲載された。

高脂肪食および甘味飲料の過剰な消費は、肥満、インスリン抵抗性、および脂肪肝疾患を発症する危険因子と言われている。今回の試験ではマウスを用い、普通食または高脂肪食のいずれかに分け、さらにそれぞれのグループで果糖またはブドウ糖の水溶液を与えて比較した。

普通食を与えられたマウスでは、果糖とブドウ糖の両グループの間に大きな生理学的差異はなかった。一方、高脂肪食のマウスでは、カロリー摂取量は同じにもかかわらず、ブドウ糖マウスと比較して、果糖マウスでより顕著な肥満、耐糖能異常、および肝腫大を発症することが確認された。果糖およびブドウ糖の摂取は、脂質生成および解糖系の遺伝子に対する転写調節因子ChREBPおよびSREBP1cの発現にも明らかな影響を及ぼしていた。

果糖マウスのグループでは果糖の代謝に使われる最初の酵素であるケトヘキソキナーゼの産生が増加していることが見出された。また、肝臓におけるケトヘキソキナーゼをノックダウンすると、果糖グループマウスの肝臓脂肪症および耐糖性が改善された。同じ“糖”である果糖とブドウ糖だが、体内におけるその代謝経路は異なっていることが明らかになった。

#

↑