第11回「組織としてのアイデンティティを見つける」
社内の議論と同等に
外部との議論にも意味がある
色んな方とお話をさせていただいて良かったなと思うのは、自分たちが作っていこうとしている『@cosme』というものの社会的な存在意義や、もっとこうあるべきでは、ということを外部から客観的な視点でアドバイスしていただけたこと。
『@cosme』の「中立」「信頼」を損なわずにいかに広告を展開するかというお話をしましたが、これも外部の方からアドバイスいただいた点なんです。社内のディスカッションだけでなく、客観的な立場から意見をいただくのはとても重要だと当時から思っていました。そこで「ここは妥協すべきじゃない」というところを指摘いただいたりすると、自分たちなりに咀嚼してサービスの中に織り込むこともありました。外部の立場といえば、株主の方もそうですね。事業会社の方にも株主に入っていただいているのですが、外の方とのディスカッションのなかで、改めて自分たちが大事にすべきアイデンティティを確立していきました。
もし当時の自分に声をかけられたら……
「精一杯やってるね」
当時を振り返ると、2004年ぐらいにソーシャルネットワーキングサービスの『mixi』『GREE』が出てきて、世の中のネットベンチャーが、まさに日進月歩で動いていった頃です。私たちよりも年下の社長の方々が2000年前半に多く創業されて、すごいスピードでサービスを成長させたうえで上場も……。それを横目で見ながら、すごく刺激もいただきましたし、良い意味でライバルとして、自分たちはどういう発展をすべきかということも、つねに他を見ながら勉強しましたね。
もちろんいろんな隆盛や衰退もあって、いろんなアプリやサービスが出てはなくなっていくわけです。自分たちとしても、つねに走り続けないとすぐ社会に遅れをとってしまうということを痛感していました。創業から走って走って、走ってきて……気の休まったときは今まで一度もないかもしれません(笑)。
もし今、会社を設立した頃、26歳とか27歳ぐらいの自分に声をかけてあげられるとしたら、そうですね、「精一杯やってるね」でしょうか。もちろん反省はありますし、あの時もっとああしていたら、と思うこともあるのですが、無我夢中で必死に仕事に打ち込んでいたのも事実。そういう意味で後悔はないですし、その時にできたベストを尽くしてきたとは言えるかなと思っています。
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