IT駆使した新しい食の健康ビジネスが広がる
2018.02.16
編集部
スタートアップIT企業による食品業界への新規参入が活発だ。最新のIT技術を駆使した、新しい食による健康ビジネスが広がりつつある。
株式会社スナックミー(東京都江東区)は、おやつの「ギルトフリー」に着目。調査によると、一世帯あたりの菓子類への支出額は毎月5815円と、肉類(5726円)や穀類(5471円)、生鮮野菜(4861円)などに比べて高いことがわかった。女性がおやつを食べる頻度も「毎日食べる」が70%を占める。
ただし、「子どもに買い与えた後に後悔」(代表取締役の服部慎太郎氏)することもあれば、白砂糖、人工添加物、糖質など様々な要因を気にかけて、人によって罪悪感(ギルト)の強弱や原因が異なる。
そこで、同社ではユーザーの好みとこだわりに合わせて、独自のアルゴリズムを使って、ギルトフリーのお菓子の組み合わせを可能にしたサービスを展開。「顧客から直接評価をもらえてフィードバックできる」(服部氏)のが特徴で、顧客の声をひろって、それを反映した新商品の開発までのサイクルを「2~3週間で回せる」(同氏)。ギルトフリーの概念を広めて、「新しいお菓子のビジネスモデルを作りたい」(同氏)と意気込みを語った。
ベースフード株式会社(東京都目黒区)では、全粒粉や昆布などの日本の伝統食材に、最先端のスーパーフードを組み合わせて栄養バランスを実現した『BASE PASTA』を提供している。「どんな栄養素を摂取すればいいかわからない」「栄養素を摂取する時間がない」などの課題を解決したもので、パスタという主食1食で1日に必要な3分の1の栄養素を摂取できる。
同社は、主食の健康化というメガトレンドを作ることを目指しつつ、「カップ面の開発には通常1~2年かかるところだが、BASE PASTAはITを駆使して4カ月で作った」(代表取締役の橋本舜氏)といい、作り方のイノベーションも実現。売り方についてもWebマーケティングなどを駆使して「アマゾンに勝ちうる」(同氏)ビジネスモデルの構築に自信を示した。
食で「働き方改革」の実現を目指している株式会社KOMPEITO(東京都渋谷区)は、オフィスに野菜や果物を届ける新しい配送サービス『OFFICE DE YASAI』を展開している。代表取締役社長の川岸亮造氏が「食を変えると仕事の生産性が上がる」ことを自らの体験から実感。社員の福利厚生の一つとして健康志向を目指す各企業へ野菜を届ける事業を立ち上げた。
全国各地から産直野菜をはじめ新鮮な野菜・果物、ヘルシーな農産加工品を厳選し、オフィスへ配送。ITで在庫管理などが効率的にできる仕組みを構築した。3月には大手企業とのアライアンスを発表する予定だ。
ネオベジ株式会社(東京都新宿区)は、スーパーフードの「モリンガ」を使った商品開発に取り組んでいる。「モリンガ」は、アーユルヴェーダでは病気の予防として食されており、高い栄養価があることで知られている。
忙しい主婦の料理問題を解決するため、「モリンガ」を粉末状にした「ONDISH」を開発。いつもの食事に振りかけるだけという簡便な摂取方法を実現した。すでにケーキ、パスタ、クッキーなどさまざまな食に導入されているほか、サプリメントや保湿クリーム、香水などにも採用され、高い評価を受けている。
同社では「スーパーフードを消費者の好みに合わせた形で提案したい」(取締役COOの小嶋知子氏)考えで、3月には『モリンガベーグル』を限定販売したり、台湾カフェの春水堂で「モリンガ」を使用した春の新商品の販売を予定するなど、各企業とのコラボを展開していく予定だ。