動物実験代替法に向けた初のワークショップが開催

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2013.07.12

編集部

欧州委員会の共同研究センター(JRC)主催による、動物実験に代わる試験法(代替法)における国際協力の展望について話し合うワークショップが、6月25-27日に開催された。

米国からはTox21、欧州からはSEURAT-1という、安全性評価のための動物実験に代わる試験法(代替法)分野の2つの大きな研究団体を代表する科学者らが一堂に会しての議論は今回が初めてとなる。

動物実験の中止に向けた動きは20世紀前半にも見られ、1959年には動物実験の3Rsが提唱されている。これは、Replacement(動物を用いない方法に置き換える)、Reduction(使用される動物の頭数削減)、Refinement(動物使用に伴う苦痛の削減)の頭文字を取ったもので、現在でも、代替法策定までの道程となっている。

EUでは、圏内の化粧品における動物実験規制は、2009年3月施行の「Testing Ban」で、化粧品成分についてEU圏内での動物事件を即時禁止。また「Marketing Ban」で、動物実験を実施した成分/最終処方を使用した化粧品が完全に販売禁止された(毒物動態などの一部毒性試験は除外)。現在では、代替法ができた時点で、毒性試験を含む全ての動物実験が即時禁止という、代替法の完成待ちという状況である。

代替法に関わる各国の対応は現在のところ統一されていない。日本では医薬部外品扱いの美白製品が、欧米では化粧品のカテゴリーに入るなどの製品カテゴリーの違いとそれに伴う法的取扱の違い、また、安全性試験法のガイドラインの違いとガイドラインにおける代替法の位置づけの違いなど、動物実験廃止までには各国でさまざまな法的整備が必要となっている。

今回のワークショップでは、異なる規制条項に対応するため、新たなデータソースを使用した、化学物質安全性評価における意思決定のフレームワークを作成に向け、以下の5つのセッションが行われた。

・Horizon 2020(欧州における研究、イノベーション、競争力を増強するための施策)の枠組みの中での米国とEU間の協力方法を探る
・米国と欧州における化学物質選択のための異なるアプローチ
・毒性試験のイン・ヴィトロ(試験管内の)試験法と試験システムの検証
・毒性予測を行うために採用されている様々な計算アプローチの検討
・「非標準(非動物)」の方法がどのように異なる意思決定のフレームワークの中で使用されるかの検討

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