撤回された論文の再評価で地中海食の心血管予防効果確認

最新商品

2018.06.26

国際部

2013年に発表された、地中海食の遵守が心血管リスクを抑制するとされた論文が撤回された。撤回理由には、無作為化されていない家族の登録、11試験施設中1施設での一部の被験者の無作為化なしでの試験群への割り付けなど、試験プロトコールからの逸脱があった。今回、全被験者が無作為に割り付けられたとの仮定にだけに頼らない解析に基づく効果推定を修正した新たな論文が6月21日、「New England Journal of Medicine」オンラインに掲載された。

スペインで心血管リスクが高いが登録時に心血管疾患のない被験者7447人(55-80歳、女性57%)を、エクストラバージンオイルを追加した地中海食群、ミックスナッツを追加した地中海食群、対照食(脂肪を軽減)群に無作為に割り付けた。約5年の追跡で、重大心血管イベント(心筋梗塞、脳卒中、心血管死)の発生率を比較した。

心血管イベントの発生は、エクストラバージンオイル群3.8%、ナッツ群3.4%、対照群4.4%だった。全被験者を対象としたintention-to-treat解析で、対照群に対するハザード比はエクストラバージンオイル群0.69、ナッツ群0.72だった。高い心血管リスクを持つ人を対象とした本研究で、重大心血管イベント発生率は脂肪軽減食に比べエクストラバージンオイルまたはナッツ類を含む地中海食の被験者で低いことが確認された。

#

↑