【連載】大手化粧品会社の研究㊻アクリア・ジャパンコスメティックスの会社研究 ~ふるさと創生企業の成長に期待~(下)

2018.08.31

特集

編集部

アクリア・ジャパンコスメティックスがナマコ化粧品「アチュイピリカ」(写真)シリーズとしてこれまで開発したのは、2013年に肌に密着しながら広がる「クレンジングジェルパック」と肌に馴染んでしっかり浸透する白樺エキス配合の「化粧水」、片栗粉を水に溶いたような動きがある「コラーGジェル」(リフトアップジェル)の3商品を開発し販売した。続いて2015年12月に手作り石鹸を開発・販売。2016年3月には、ラベンダーの香りがありコクのあるクリーム「モイスチャークリーム」を開発・発売するなど、現在まで合計5商品を開発し市場に投入した。

現在、北海道・定山渓グランドホテルの店頭販売やウェブサイト、楽天市場内ショップ等で販売している。
消費者のアチュイピリカに対する反応について同社は「北海道産ナマコから抽出したナマコエキスに加えて、北海道産シラカバ樹液、希少価値の高い北海道サラブレッド馬プラセンタ、北海道産サケ由来プラセンタエキス、ラベンダー精油等を配合するなど、北海道産天然由来の素材を積極的に取り入れた。また、純粋ナマコエキス配合の化粧水について消費者の反応は、ナマコのイメージがなくとってもさっぱりした使い心地との感想をよせる消費者が多い。洗顔・化粧水・ジェルの3点セットで使ってもらうよう販促を強化している」としている。

当初、生産は、埼玉のOEM工場に依頼していたが、北海道の産業にしたいとの思いから現在は、札幌市内のOEM工場に製造を委託している。
同社がふるさと創生の企業として今後、成長の軌跡をたどるかは、未知数の部分が大きい。
一挙に資金を投じて販路を拡大していく手法は、経営資源の限界からとりづらい。手の届くところから一歩一歩と地保を固めることが緊要だ。
しかし、化粧品業界の構造が消費者のニーズの変化、多様化等から大きく変化する中で、同社のような起業群が新規参入する動きは、業界の新たな発展のバネになり業界の活性化につながる。

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