【連載】大手化粧品会社の研究(66)武田コンシューマーヘルスケアの会社研究 ~全社売上1000憶円の大台乗せが目標~(上)

2018.12.17

特集

編集部

武田コンシューマーヘルスケア株式会社(東京都千代田区)は、7兆円もの企業買収で揺れた武田製薬工業株式会社(東京都中央区)の100%出資の子会社。2016年4月に武田製薬工業が行ってきた社内部門「ジャパンコンシューマーヘルスケアビジネスユニット」事業(JCHBU事業=医薬品、医薬部外品、医療機器、化粧品等の製造・販売)を承継する形で新会社として設立。翌年の2017年4月に事業を開始した。

武田薬品工業が行ってきたJCHBU事業は、ビジネスユニットとして「アリナミン」「ベンザ」をはじめとする一般用医薬品や健康食品「緑の習慣」等を中心に事業を展開してきた。

そうした中で、武田薬品が武田コンシューマーヘルスケアへの会社分割(簡易吸収分割)による事業承継の形で新会社「武田コンシューマーヘルスケア」を設立したのは「セルフケア」「セルフメディケーション」の領域で、アリナミンやベンザ、さらには緑の習慣といったブランドを通じ、人々のより健やかな生活に一層貢献するとともに、日本を中心としたアジア地域におけるコンシューマーヘルスケア市場においてリーディングカンパニーを目指すのが狙い。

同社は、ここへきて「健康でありたい」と願う顧客ニーズに対し「優れた製品と適切な情報」の提供を通じて「人々の健康」に貢献していくというビジョン実現のために、ヘルスケア関連の医薬品、健康食品、化粧品、育毛剤等の新商品や技術等を募集している。

あらゆる階層、個人層などからコンシューマーヘルスケア分野で、ニーズやシーズのある情報を募集・提案してもらい、新商品の開発を加速して市場にいち早く投入し、収益に繋げる狙い。

武田コンシューマーヘルスケアの前身である武田薬品ジャパンコンシューマーヘルスケアビジネスユニット売上は、2009年度以降、年平均5.5%増で推移。年商は、約800億円の売上をあげていた。当面、武田コンシューマーヘルスケアの売上高は、1000億円の大台に乗せることが目標。

そのためのエンジンがコンシューマーにかかわる新製品、新技術の開発であり、他社に先駆けてコンシューマー商品を市場にいち早く投入することで、シェアの確保を図る戦略が見える。

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