【連載】遺伝子検査ビジネスに化粧品会社参入遺伝子検査ビジネスに化粧品会社参入 ~オーダーメード医療で脚光~(上)

2019.02.18

特集

編集部

遺伝子(DNA)医療ビジネスの一角を占める一般消費者(個人)向け遺伝子検査キットサービス分野に化粧品会社が新規参入するなど、新手の事業に力を入れて取り組んでいる。

遺伝子検査キットサービスは、消費者(ユーザー)が遺伝子検査用のキットをサービス会社が提供するネット通販で購入し、小型容器に口腔内の粘膜や唾液等を採取してサービス業者に返送する。写真に口腔内の粘膜採取を示す。

サービス事業者は、ユーザーから送られてきた唾液に含まれるDNAを「DNAマイクロアレイ」と呼ばれる専用装置及び専門機関等に委託して分析し、特定の病気や体質に関係すると見られる遺伝子を洗い出す。
これらの分析結果は、ユーザーが自分専用のパスワードを使ってサービス事業者のホームページから見ることができる。

ここへきてがんの原因となる遺伝子を調べ、効果的な薬を選ぶ「がんゲノム医療」の遺伝子検査システムについて厚生労働省が2018年12月末から製造販売承認をスタート。また、ゲノム医療について2018年4月から国立がんセンター中央病院で公的医療保険が適用されるなど、個人にあった薬や治療法を提供するオーダーメード医療が大きく進展することになった。
この遺伝子検査システムの製造・販売の承認制度や公的医療制度を起爆剤にして医薬品、バイオ、ベンチャー、医療機器等のプレイヤーがゲノム医療分野に堰を切ったようになだれ込んでいる。

すでにゲノム検査キットサービスを中心に新規参入が相次ぎ、2008年から2018年12月末までの10年間にゲノム検査キットサービス分野に参入した企業数は、累計で約1000社に上る状況(経済産業省調査)。
この中で、ゲノム検査キットサービスに参入した化粧品会社は、株式会社DHC(東京都港区)、株式会社ファンケル(神奈川県横浜市)、アンファー株式会社(東京都千代田区)、株式会社ドクターシーラボ(東京都渋谷区)の4社。以下、各社別の事業の取り組み実態や収益状況、課題点などに迫った。

 

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