【連載】化粧特許と知的財産権⑦タカラベルモント、すべての製品に知的財産権を付与(上)

2019.06.6

特集

編集部

タカラベルモント株式会社(大阪府大阪市)は、理美容機器・頭髪化粧品及びデンタル・メディカル用設備機器等を開発・製造・販売するメーカー。
「美と健康」をテーマに美しさや機能性、安全・安心を意識したサロンやクリニックの価値創造を実現する一方、理美容室のインテリアやデザインなど美を追究した店づくりを強化している。

同社の特徴は、現在、全国19拠点にショールームがあり、なかでも東京(代々木)・大阪は、「TB-UARE」としてエステ機器、理美容機器、化粧品、育毛剤など様々な物販サービスを展示・販売するなど「理美容機器の総合デパート」の異名を誇る。また、自社ブランドとして現在、ショールーム等で販売している自社ブランド化粧品は、髪、皮膚、気持ちをひとつながりで美しくするホリスティックビューティーブランド「エステシモ」をはじめ、アルガンオイルをベースにしたオーガニックケアブランド「ヴィーダテラ」、女性一人ひとりのライフスタイル全てに寄り添いサポートしていくことを目的としたスペシャルブランド「ピトレティカ」やプロフェッショナル用コスメ「ノートルボーテ」、エステティック向けスキンケア化粧品「エステッシモ」などがある。また、頭髪化粧品としてクリエイティブヘアブランド「ポールミッチェル」などがある。

2018年3月期 のグループ全体の総売上高は671億円。そのうち、理美容機器の売り上は、40.9%を占めてトップ、次いで医療関係が39.6%、化粧品が19.2%の割合となっている。

こうした中、収益向上のカギは「サロン経営の安定化」としてサロン経営の課題解決につながる4つの提案を行い取り組んでいる。
4つの提案は
①顧客に1対1で向き合い上質サービスを提供するONE to ONEによるサービスサロンを導入する
②サロンの魅力をさらに引き立てるアクアフォルテ活用方法の提案
③男性向けサービスの市場が拡大し、理美容業界においても「メンズの価値」が大きなテーマに。近年変化してきたメンズの価値観を紐解き、サロン実例を交えながら、メンズを捉えるサロンづくりを提案
④スタッフと顧客のコミュニケーションを飛躍的に向上させ、サロンのICT化を支援していくなど。

こうした中、模倣品・海賊版に対して同社は、法的な対策を考える上で、正規の商品に関して自らの知的財産権を確立している。通常、自らの知的財産権が確立されていないと模倣品・海賊版対策のための基盤は万全とは言えない。
自社製品に複数の知的財産権が付与されていてその知的財産権を確立されているなら、その権利の数に応じて模倣品・海賊版対策の選択肢も様々なバリエーションが生じ、有利となる。ある製品に自らが権利を持つ特許権、商標権、著作権等が確立されていれば模倣品・海賊版対策としてそれぞれの権利に基づき多面的に対策を考えることができ、安全性が高まる。
同社は、すべての製品に知的財産権を付与し、模倣品、海賊版対策に打って出るなど大きな布石を打っている。

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