【連載】化粧品が起こすイノベーション・この技術に注目④スマホ、ミラー等で肌ケアサービス(上)

2020.02.3

特集

編集部

化粧品各社が人工知能(AI=学習・推論・認識・判断など人間の知能を持たせたコンピューターシステム)やIo T(Internet of Things=ありとあらゆるモノがインターネットに接続すること)活用を本格化させている。スマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイスを使って個人に合わせた美容サービスに乗り出しているもの。
株式会社資生堂(東京都中央区)は、2019年7月からIoTによるパーソナルスキンケアサービス「オプチューン」の本格展開をスタートしている。
「オプチューン」はIoTをベースにしたパーソナライズスキンケアサービス。スマートフォンにダウンロードした専用アプリによる肌測定データや温湿度、花粉やPM2.5など外的環境データ、睡眠による体内リズムなどを独自のアルゴリズムで分析。8万通りの抽出パターンからその日に必要なスキンケアを決定し、申し込み時の肌情報に合わせて選ばれたスキンケアカートリッジをセットした専用のIoTマシンからケアが提供される仕組み。
具体的には、スマホで肌を撮影すると、専用アプリが水分量、きめ、皮脂量といった肌データを測定、分析。専用マシンから、その日の肌状態に合わせた基礎化粧品が抽出されることから、自宅でその日に合わせパーソナライズされた基礎化粧品を利用できる。

美容家電に力を入れるパナソニック株式会社(大阪府門真市)は「スノービューティーミラー」を開発した。鏡の前に座るだけで、心拍数、血圧、体重の増減、肌の状態などの健康状態を把握することができる。また、肌の状態を分析するのに加えて、メイクアップの提案、シミュレーションなどの機能も備えており顧客の肌状態を分析し、瞬時に数値化し表示する。
鏡の中に埋め込まれた非接触センサーが、肌表面と表面下の状態を検出。医療機器並の精度で、肌表面のシミ・シワ・ほうれい線・毛穴・肌色に加えて目では見えない隠れたシミも検出する。
中でもスノービューティーミラーの最大の特徴は、顧客の顔の特徴に沿ったメイクシュミレーションを可能とするバーチャルメイク機能がある。端末には、高度な画像合成・処理技術が搭載されており、ユーザーである顧客は、タッチパネルを直感的に操作するだけで、さまざまなパターンのメイクを本物と区別つかないほどの質感表現とともに疑似体験できる。またパナソニックが以前から開発を進めていたメイクアップデザインツールという専用ソフトウェアを使えば、新商品を使った際のメイクアップパターンやトレンドなどブランドからのおすすめのメイクや著名メイクアップアーティストのメイクパターンなど新たなコンテンツを簡単にこのミラーに追加できるようになっている。

同社は、株式会社コーセー(東京都中央区)とコラボを組んで東京銀座にオープン(2019年12月)したコーセーの体験型コンセプトストア「メゾンコーセー」にスノービューティーミラーを導入し、メイクサービスの実証実験を始めている。

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