【連載】化粧品が起こすイノベーション・この技術に注目㉑AI、AR技術と仮想メイク(上) ~アマゾン等が仮想メイク導入しサービス展開~

2020.05.18

特集

編集部

人間の知的ふるまいをソフトウェアで人工的に再現する人工知能(AI・artificial intelligence)
や人が知覚する現実環境をコンピュータにより拡張する拡張現実(AR・Augmented Reality)等の技術を駆使してスマートフォンで写した顔に好みの化粧ができる「バーチャルメイク」が急速な勢いで進展している。
ここへきてAIを組みあわせた進化形のARが登場し、位置やサイズが自然の状態に合わせた認識技術を用いて解決できるようになった。

AR技術で実現したバーチャルメイクは、カメラで撮影した画像を顔認識しそれに合わせて化粧を実際に化粧したかのように顔写真に重ねて表示するもの。AIを使うことで人によって異なる目や唇の形に合わせて色を重ねることができる。
この肌に合う色をすすめする機能や顔の形にマッチした化粧の仕方を提案する機能、ユーザーの好みを解析してアイテムを個別に提案する機能の実装をすすめるなど、オンラインショップで利用者の好みに合った化粧品やサービスなどを推薦する「レコメンド」やネット上の情報を収集し、まとめて新しい価値を持たせる「キュレーション」の機能強化が急がれる。 また、化粧した写真をアップロードすると「どんなコスメで同じメイクアップが再現できるか」を分析する機能なども羨望されている。

一方、顔認証技術もさらなる高性能化を進め、顧客が売り場に立つとその人の好みや買い物の履歴が一目でわかるような仕組みも要望される。

ともあれ、ARやAIの活用によるメイクアップは、化粧・美容業界全体をさらに底上げするとともに新次元のビジネスを創出する期待が大きい。

バーチャルメイクは、化粧品の色などを瞬時に分析して読み取り、画面上に投影された利用者の顔に実際に化粧したような仕上がりを再現し、色や質感をバーチャルに試すことができる。

日本国内で、Eコマースを展開するアマゾンジャパン合同会社(東京都目黒区)は、仮想メイクアップ専用ソフト開発会社からバーチャルメイクを導入し、サービスに乗り出している。
アマゾンでの利用方法は、対象商品のページに表示される「試す」をクリックし、スマートフォンのカメラや写真アルバムと連携した上で「カメラをライブモードで利用して動画で体験する方法」「写真を撮影してアップロードする方法」「 既存のモデルの写真を利用する方法」のいずれかの化粧方法を選択。画面に顔が表示された後、好みに合わせて色の濃さを調節、または、他のカラーを選択することができて気に入った商品を購入することができる。

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