【連載】この中小化粧品会社に注目⑤伊勢半本店(上)~文部科学省から体験学習推進企業に選定~

2020.08.11

特集

編集部

株式会社伊勢半本店(東京都千代田区)は、CSR(企業の社会的責任)活動の一環として推進している子供たちの体験学習「親子ワークショップ」事業活動が文科省の体験活動推進企業に選定されて「審査委員会奨励賞」を受賞した。
選定された事業は、2018年の夏休みに同社が開設する展示場「紅ミュージアム」で開催した親子ワークショップ「色のふしぎ・~さわって・えがいて・みんなでみよう~」。

同ワークショップは、伊勢半本店の祖業である「小町紅」が黄色の花びらに僅か1%含まれる赤色色素から作られ、乾くと玉虫色に輝き、それを水で溶くと鮮やかな赤色に変化する、という紅づくりの工程の色の変化に着想を得て企画した。
企画内容は、 子どもたち(対象・5歳~小学3年生)が全身を使って絵具で大きな絵を描く制作ワークショップ「さわって・えがいてワークショップ」(2018年8月16日実施)と、その作品を再構築し、制作したインスタレーション(展示空間を含めて全体を作品として表現する)作品を対象に行う鑑賞プログラム「みんなで見よう・ワークショップ」(2018年8月23日実施)で構成した。この取り組みが文科省の体験学習モデル事業として評価され今度の受賞へとつながった。
今回の受賞を励みに同社では「紅ミュージアムでの講座が新しいことを知るきっかけとなり今後も子供たちが歴史や伝統文化などに関心を持つよう、さらに充実したラインナップを企画し教育支援を行っていきたい」としている。

同社は、江戸時代の文政8年、1825年に紅屋として創業。日本伝統の口紅「小町紅」を作り続けてきた。
2003(平成15)年には、江戸開府400年事業で千代田区神保町に期間限定の「紅資料館」 をオープン。その後、2005年(平成17)に現在の港区南青山に常設館として「伊勢半本店紅資料館」を開館。翌年に「伊勢半本店 紅ミュージアム」と改称した。
現在、衣類の染料や化粧料の口紅、書画の絵具などに用いられてきた日本古来の色料「紅」にまつわる歴史や文化を展示・紹介するとともに紅の歴史や文化、ミュージアムの展示及び化粧道具(写真)等の収蔵品等に関連した講座を多数実施している。

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