【連載】この中小化粧品会社に注目⑲フアンペップ(上)~ペプチドの機能を化粧品原料に応用~

2020.10.26

特集

編集部

バイオベンチャーの株式会社ファンベップ(東京・渋谷区)は、大阪大学大学院医学系研究科の機能性ペプチドに関する研究成果をもとにした「抗菌ペプチド」および「抗体誘導ペプチド」を技術の柱として医薬品、化粧品、医療機器等の広範な分野で実用化を目指す大阪大学発ベンチャー企業(2013年10月)。
同社は、当連載が対象としている中小の化粧品会社ではない。しかし、同社が保有する機能性ペプチドが化粧品の原料として化粧品メーカーとの関わりが深く、共同開発によって新たな用途を見出していること等に着目して連載対象の企業として取り上げることにした。

同社が標榜するペプチドとは、アミノ酸が2~50個程度がつながった化合物の総称。アミノ酸がさらに多くつながった化合物をたんぱく質と呼び、人体の多くがたんぱく質で構成されている。ペプチドの中にはインスリン(血統コントロールホルモン)、グルカゴン(ペプチドホルモンの一種)、カルシトニン(遺伝子関連ペプチド)など、ホルモンとして体内の器官の働きを調整する情報伝達を担う物質もある。
このペプチドの機能を利用して急性心不全の治療薬やペプチドを人工的に合成する機能性ペプチドが開発されたことで、前立腺癌治療薬などのペプチド医薬品が実用化されている。

ファンペップの医療分野で注目される動きとして国家、国民が注視するコロナワクチンの開発がある。同社は、2020年4月に大阪大学とアンジェスMGが国産化を進めている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)向けのDNAワクチン共同開発に新規参画したことで一躍注目される存在となった。
ペプチドは、化粧品にも使用されている。化粧品に使用されているペプチドには、主に保湿等の化粧品基材を目的に使用されるものと細胞の成長を促進したり特定の酵素反応を阻害したり促進するなどの生理的な機能を及ぼすことを目的に使用される2つの使用が主流。特に、化粧品原料として注目されているのは、機能性ペプチドで、ほとんどがサイトカイン様の働きを示すものである。サイトカイン は、細胞から分泌される低分子のタンパク質で生理活性物質の総称をいう。
中でも、細胞増殖因子であるEGF(上皮成長因子)やFGF(線維芽細胞成長因子)は、人成長ホルモンを活性化させる事で、肌細胞の再生と代謝を促す機能を持つ。いずれも、皮膚を構成する細胞の増殖を促進するため化粧品製剤に配合されている。また、化粧品に添加される機能性ペプチドとしては、特定のコラーゲンやプロテオグリカンの産生促進作用を持つペプチド、 メラニン産生を抑制するもの、 神経伝達物質の阻害を目的としたペプチド等が美容分野においてシミ、 シワの予防等の目的のために配合されるケースがみられる。

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