女性経営者連載7・マリープラチーヌ(下) ~炭酸パックを整体などヘルスケア領域にも拡大~

2021.11.11

特集

編集部

マリープラチーヌは、2020年に会社創立10年を迎えたのを機会に、これまで化粧品事業で取り組んできた炭酸パックをスポーツ選手や高齢者の健康維持・増進などにも提案する「隣接異業種協業」という新たな事業に乗り出した。

接骨院やスポーツジムなどの異業種と連携し、炭酸パックなどの自社ブランド化粧品を拡販するのが狙い。すでに新潟の接骨院と連携し、炭酸パックを整体施術に取り入れてその効果を検証している。

同社は「炭酸パックを患部に塗布することで、徒手のみの施術より効果が高まり、施術時間も短縮される。また、温熱治療機を使用する場合は、炭酸パックを塗布することで、熱の伝達が良くなる。慢性的な肩凝りや腰痛、スポーツ後のケア、けがの予防に炭酸パックを使用した施術が効果的」と説く。

同社では、炭酸パックの可能性をアスリートやスポーツジム、リハビリなどの分野へも広げていくほか「炭酸ケア」が健康寿命を延ばす大きな選択肢になるようヘルス&ビューティケア分野の展示会などに出品・展示して一段と商品の実証効果や訴求力向上を図っている。

すでに、美容向け炭酸パックを筋肉疲労や肩こり解消に改良し新商品「スポーツ炭酸パック」として2019年度から接骨院や整体院向け等に販売するなど新たな市場開拓に乗り出している。

同社は、異業種協業や商品開発、宣伝・広告など新事業の立ち上げに伴う資金調達として第四銀行の創業支援ファンドを活用し、1000万円の出資を受けた。現在の資本金は、3000万円、社員約5名、業績非公表。

だが、化粧品、エステサロン、エステサロン支援、隣接異業種協業等の各事業についての具体的な戦略が見えない。

事業の多角化に取り組む積極性は、評価されるが、内包する事業課題と対応策や経営資源を配分して中期的にどのような数値目標を計画しているのか。また、主力の化粧品がどの程度、販売増加につながり収益向上を実現するかなどが見えない。

具体的な数値目標と戦略を描いた中期経営計画を立案し先行きの経営の姿をステークホルダーに対して見せてほしい。

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