連載・異業種から化粧品分野に新規参入した上場各社の化粧品事業に迫る【13】キューピー、化粧水、美容液2品目販売、3年後売上3億円目標(下)

2015.02.18

特集

編集部

キューピー「キュートピア」キューピーは、ヒアルロン酸を食品、化粧品、医薬品向けの原料として供給する一方で、2014年12月に初のスキンケアブランド「キユートピア」(写真)を商品化して市場に投入、化粧品メ-カーとしての地歩を歩み始めた。

スキンケアブランド「キユートピア」は、ミスト状の化粧水「モイスチャーミスト」と美容液「ピュアヒアロ」の2商品。
「モイスチャーミスト」は、同社が開発した肌の角質層まで浸透する低分子型ヒアルロン酸「ヒアロオリゴ」を配合。また、美容液の「ピュアヒアロ」には、肌の表面を膜のように覆い、水分の蒸発を防ぐ高分子型ヒアルロン酸を配合している。2種類のヒアルロン酸を使用することで、肌の保湿効果を高める狙い。体内のヒアルロン酸量が減少し、肌乾燥が気になる40代女性対象に訴求している。

販売チャネルは、通販事業を手がけている子会社のトウ・キューピーが運営する通販サイト「キューピーアヲハタネットショップ」を通じ、通販限定で販売している。

同社では「これまでの研究成果としてヒアルロン酸の分子量の大きさによって肌への浸透、保湿機能が異なる。角質層まで浸透する低分子型ヒアルロン酸配合のモイスチャーミスト使用後に肌表面を膜のように覆う高分子型ヒアルロン酸配合のピュアヒアロを使用することで効果的な肌の保湿が期待できる」としている。

同社が化粧原料に加えて化粧品メーカーとして化粧品市場に新規参入したのは、化粧原料と化粧品の相乗効果を高めること。また、通販チャネルに限定して販売したのは、サプリメントと合わせて提案することでリピート率の向上に繋げる狙い。

この1年間(昨年12月から今年11月まで)のキユートピア売り上げは、7000万円を計画。3年後の売り上げ目標を3億円に持って行く方針。

同社は「今後、新商品の投入計画はない。現在のスキンケア化粧品2品目についてヒアルロン酸の機能と効果的な肌の保湿を訴求していくことに力をいれ、中期目標を達成したい」としている。

いわば、同社は、化粧品メーカーとして本腰を上げて新規に化粧品事業に参入したわけではない。”ヒアルロン酸”そのものの知名度を高め、合わせて原料メーカーとしての認知度を向上させることが狙い。こうした基本的な考えに基づいて化粧品の売り上げ目標を達成していく考え。

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