【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【20】ビーボ② ~人事評価制度の導入や社員の報酬をアップ、上場も視野に~

2016.10.4

特集

編集部

ビーボは、社内変革のため「組織編成化」「人事評価制度構築」「マネジメント層の育成・採用」の3点を打ち出し、改革に乗り出している。なかでも人事評価制度は、同社の成長・発展を占う試金石になるものとして注目される。
ビーボ・人事評価制度人事評価制度は、一人ひとりのキャリアパスを明確にするためにつくったもので、個人の成長が会社の成長に結びつくような目標を設定している。特に、同評価制度は「顧客が求める価値を達成させる」という命題を実現するため、事業の軸を3つ策定するとともに組織のあり方や仕事の仕方を3つ定めている(図参照)。

すべての評価基準は「行動と思考」に置かれているのが特徴。社員個々人の評価については「スキルや経験の有無」などを評価の判断材料にしていない。
例えば「営業成績が良かった」からといった絶対評価は採っていない。「それは本当に顧客のためになっているのか」「翌年も同社のファンでいてもらえるような行動を起こしたのか」といった観点から評価・判断する。

この人に照準を当てた評価基準に加えて「クレド」と呼ぶ行動指針は、人材を採用する場合の重要な前提条件にもなっている。

業務の内製化にもこだわっている。時代の主流は、アウトソーシングによる効率化を追求する。しかし、同社は、あえて内製化に重きを置く。

内製化は「社員が創意工夫し、日々、改善を繰り返しながら商品やサービス等の価値をつくりあげる。商品やサービスは、真似できる。しかし、内製化による人の創意工夫は真似されることはない。一見、内製化は、経営的に非効率と見られるかもしれないが、この非効率さが逆に優位性だと捉えて組織をつくりこんでいる。なぜならば、企業の優位性を支えるのは、事業でもビジネスモデルでも商品でもサービスでもない。人だと捉えているから」と説く。

ともあれ、企業の使命感や社員の行動基準の徹底、事業の創意工夫と創造性など、新たな企業つくり人つくりによるイノベーションに積極果敢に取り組んでいる。すでに、福利厚生の充実化による評価・昇給の体制をつくり、2年前に比べて1人当たり年平均で約90万円の報酬(賞与含む)を実現するなど社員にとって働きやすい環境にある。

企業としての業績は、明らかでないが一連の企業としてのミッションやヒト作り、福利厚生の充実などを勘案すれば株式公開を視野に入れても不思議でない。今後、上場を錦の御旗とした事業の成長・発展に視点が集まる。

 

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