【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【39】WSP① ~新たにコスメ事業に参入、真珠成分配合の化粧品開発・販売~
2016.12.15
編集部
株式会社WSP(大阪府大阪市、社長 渡辺雅夫氏)は、1991年に真珠を中心とした宝飾品の卸売りとして創業。以降、真珠の電子商取引によるネット販売や真珠化粧品、真珠サプリメントの開発・販売など事業領域を拡大。現在、宝飾品卸事業、電子商取引(Eコマース)事業、コスメ事業のオールパールづくしの事業を展開している。特に、真珠に含有している美容成分に着目してコスメの研究開発・販売に力を入れて取り組むなど、ITを駆使した化粧品ベンチャーとしての活躍が目を見張る。
同社が真珠の販売から一転して新規に化粧品分野に参入する契機になったのが、「真珠職人の手がきれいなこと」だった。
これを動機に真珠に含まれる成分を調べたところ、「美肌成分が含まれていることが分かり、アメリカの学会でも発表される程、実証されていることが分かった」―。
そこで「化粧品を開発できればもっと事業の可能性が広がる」と判断し、研究開発部門の真珠研究所で開発に取り組んだ。その結果、試行錯誤を繰り返しながら3年間で実用化したのが、基礎化粧品「真珠肌」(写真)である。
「真珠肌」は、真珠貝のパール層に含まれる保湿成分で、肌が元気になる細胞賦活作用がある「コンキオリン」成分や天然由来成分「プロテオグリカン」などを配合した。
これまで、改良を図りながら品質にこだわったベーシックシリーズやエクストラシリーズなどを商品化して、Eコマースによるネット販売に力を入れて取り組んできた。
ここへきて化粧品営業の強化策として通販サイト運営企業に対してサイト内で、自社商品が目立つように依頼。同時に、通販サイト内で効率的なプロモーション施策を展開している。また、同社のノウハウを活かしたOEM受注を拡大する考えで、東京営業所を新たに開設。同時に、営業人員の増強を図った。
卸営業の強化にも取り組んでいる。百貨店やドラッグストア、バラエティストアなどのチェーンストア本部や化粧品専門店、宝飾品店、アパレルショップなどを訪問して商品の取り扱いを依頼。同時に、商品の取り扱い決定に伴い、販売促進用POPの設置やキャンペーン企画の立案、店舗ごとの売上分析、販売員からのヒアリング等を通して、収益向上に繋がる施策を緊急に講じている。また、百貨店での催事にも積極的に取り組んでいる。