【連載】大手化粧品会社の研究⑨ナリス化粧品の会社研究 ~ディーラー等へのコンサルとサロン展開を強化~(中)

2018.03.6

特集

編集部

ナリス化粧品は、マーケティングから商品企画、基礎研究、処方開発、デザイン、製造、販売、アフターフォローまでを一貫して行う総合化粧品メーカー。その中で化粧品や美容関連製品の販売は、独自のモデルを確立して業容の拡大に繋げている。訪問販売事業など各事業部の販売形態を見ると独自性に特徴がみられる。

訪問販売事業は、ディーラー(取引先販売所・グループリーダー及び24万人にのぼるビューティーアドバイザー)と全国300店舗を超える「デ・アイム」(ビューティースタジオ)を通じて化粧品や美容関連製品の販売を展開。営業は、新規市場の拡大とディーラーの販売力、収益力アップを目的としたコンサルティング業務を行っている。
具体的な取り組みとして新製品の説明、エステティックやメーキャップの技術指導、顧客の囲い込みやイベントの企画・開催、経営のコンサルティングと幅広いサポートを行う。

同社は、これまで顧客が安心して化粧品を使用し、効果を実感してもらえるように、エステティックや肌診断サービス、セルフエステ、「デ・アイム」での拠点展開など新しいサービスやシステムを導入してきた。

訪問販売事業では、引き続き、ビューティ―アドバイザーやディーラーに対して、営業活動の提案や月次計画の立案を行い、販売力の強化による利益の確保などのサポートを実施。また、新たに同社のビジネスにチャレンジしたい方への提案や企画も行っている。さらに、従来の訪問販売と違う、ビューティ―スタジオ「デ・アイム」(写真=331店舗、2017年3月現在)の活用やエステなど付加価値を提供できるサロン展開もすすめる計画で、時代のニーズに合わせた新しいビジネススタイルに挑戦していく考え。

コープ事業は、日本生活協同組合連合会(生協)と共同開発した製品を全国2600万人にのぼる組合員対象に販売している。担当地区の化粧品担当者と一緒に製品の販売方法や普及方法を企画及び製品を掲載するチラシの制作、新規アイテムの提案やキャンペーンの企画・ツールの制作、生協の職員や組合員に向けての製品学習会などに取り組んでいる。

OEM(Original Equipment Manufacture)事業は、他企業とコラボレーションして新たな製品開発と市場開拓を行うOEM(Original Equipment Manufacture)事業やビジネスをトータルにデザイン・コーディネイトするODM(Original Design Manufacture)事業にも取り組んでいる。

様々なマーケットの多様なニーズに対応する動きは、代理店を介しての海外事業にも広く発揮されている。昭和40年にハワイに進出して以来、現在ではロシアや中国、東南アジアなど世界15ヵ国で海外事業を展開している。海外での営業は、新規市場の拡大とディーラーの販売力、収益力アップを目的としたコンサルティング業務に負うところが大きい。グローバル化をさらに推進する同社にとってコンサルの効力が海外事業においても功を奏するか、今後の展開が注目される。

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