【連載】大手化粧品会社の研究㉘日本色材工業研究所の会社研究 ~中期事業戦略ビジョン推進、21年度売上高150億円目標~(下)

2018.06.12

特集

編集部

日本色材工業研究所は、化粧品(医薬部外品を含む)の製造受託及び研究開発受託を主要な業務としており、連結子会社であるテプニエ社は、フランスにおいて医薬品及び化粧品の製造受託を主要な業務としている。非連結子会社である日本色材フランス社は、フランスにおいて化粧品の製造受託を主要な業務としているほか、関係会社であるキャトル・セゾンは、同社発行済株式総数の23.8%を所有しているが、役員兼務、持株以外の関係(販売、技術、生産、人事等)はない。

同社グループの事業内容及び同社と子会社の事業における位置付けについて化粧品事業については、同社及びデブ二エ社と日本色材フランス社が製造、販売している。また、医薬品その他事業については、テブ二エ社が製造、販売している。

なお、化粧品事業の一部の製品については、同社及び連結子会社が加工原材料、半製品を相互に販売または購入し、半製品、製品の製造、販売を行なっている。現在における同社グループの事業系統は、図のとおり。

ところで同社は、2014年から2018年までの5ヵ年経営計画を1年前倒して実現したことから、2017年に「中期事業戦略ビジョン」(2017-2021の5年間)を策定し、最終年度の2021年度に連結売上高150億円を目標に取り組みをおこなっている。

同戦略ビジョンでは、重点戦略として
①戦略的成長投資
②事業のグローバリゼーションの加速化
③顧客満足度の向上
④経営基盤の強化⑤収益性の追求に取り組み目標を達成する計画。

重点戦略として➀の成長投資は、売上高に貢献するつくば工場のバルク製造設備の新設など第3期拡張工事の推進。
②のグローバリゼーションの加速化は、デブ二エ社におけるメイク、医薬品事業の拡大と生産効率の向上を図りながらグループ一体での研究開発・技術開発及びマーケティングのグローバル展開を推進する。また、同社グループのグローバル戦略の一環として買収した日本色材フランス社との事業シナジーにより、取り扱い製品の拡充、生産能力の増強ならびにフランスにおける研究開発活動を推進するなどして市場優位性を発揮していく。
③ 顧客満足度の向上は、長期的且つ持続的な成長を目指した事業基盤を強化することで、顧客のマーケティング戦略に沿った納期、生産体制を実現していく。
④ の経営基盤の強化は、基礎研究、応用研究体制の充実を図り独自の充填技術開発(容器開発も含む)を進めるとともに様々な企業との戦略的アライアンスによる新規性の高い製品開発に取り組む。
⑤の収益性の追求は、コスト削減によるローコスト・オペレーションを実現し、売上高営業利益率を向上させる。

同社は、一連の施策によって2021年2月期までに売上高150億円を達成する方針で、今後の事業展開が注目される。

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